エネルギー消費から見た失われた30年
令和5年8月8日、研究イノベーション学会関西支部で、講演させていただきました。タイトルは「エネルギー消費から見た失われた30年」です。主催者の皆様、また猛暑の中参加していただいた皆様に、この場を借りて厚くお礼申し上げます。
1時間の講演予定を10分ほどオーバーしましたが、皆さん熱心に聞いていただきました。
また多くの方から終了後好意的なご意見をいただきました。ありがとうございます。特にphp研究所から出版された「エネルギーって何だろう」を、講演前に司会者の方が提案され講演中回覧していただいたのですが、その本にわかりやすいと多くの方から評価をお受けしたのをありがたく思っています。また普通の本屋さんで買えるのかというご質問については、もちろん買えるけど、普通の本屋さんには常時置いてないだろうから、注文する必要があると答えさせていただきました。さらにここで追加させていただけば、この本は主として図書館に置いてもらうと想定して書かれた本であり、保存と読み回しを意識し高価でもある一方で、多くの図書館にも置いてもらっているので借りて読んでいただくだけでも、あるいはお近くの図書館に置いてなければ、そこに置いてもらうことを図書館に要望することによっても、エネルギーの正しい考え方を普及させるという私どもの目的達成に、力を貸していただくことになるということです。
コロナ渦以来の習慣で、質問は直接の質疑応答ではなく、参加した人が講演後の休憩時間に質問を紙に書き主催者側に渡し、主催者側から私が受け取って、休憩後それらの質問にお答えするという形式だったのですが、多くのご質問を頂戴しました。そのすべてにお答えすることは、その場では難しく、後でホームページでお答えするとアナウンスさせていただきました。
再生可能エネルギーの安定性についてのご質問も複数の方からいただきました。
それも含めてパラダイムシフトの考え方を理解していただきたいのですが、現代の極度の安定性を要求する秒刻みのスケジュールでの働き方は、特に日本では戦後の習慣にすぎません。講演会当日も台風が接近しており、多くの国民の足などに影響が出る心配がされていますが、自然はこのように時には荒れるものです。西欧近代の考えでは自然は征服すべきものと考えられるのですが、日本の伝統的な考えでは、自然の恵みはありがたいもの、そしてその自然は時々荒れるものと受け入れられているのを忘れてはいけないと思います。
パラダイムシフトとして、西欧近代の発想から、伝統的日本文化の発想に切り替えようということも、お伝えしたかったことでした。不安定であるがだけど豊かな恵みをもたらす自然の中で生きる発想に切り替えれば、一万倍以上の恵みをもたらす太陽エネルギーを基に、現代の化石燃料(太陽エネルギーの一万分の一のパワーしか持たない)依存の社会から抜け出すことが可能でしょう。
講演の主たる内容は下記ボタンから読めます。
パラダイムシフトの例は天動説から地動説への転換です。
いただいたご質問のすべてに答えることはできませんが、多くのご質問にも関連しているかと思いますので、是非パラダイムシフトの話を読んでいただければと思います。