IEAの消費サンキー図

IEAによる消費データーサンキー図

このページでは、IEAのデータ解析を利用して、IEAが毎年公表している、世界各国のエネルギー消費データを、サンキー図を使って調べる方法を学びます。世界で、また各国で、どれだけのエネルギーが、どの分野で(家庭なのか、工場なのか、第三次産業なのか、それとも道路上なのか)どれくらい消費されているのかがわかります。エネルギーについての議論で、最も必要なデータであり、また多くの論者で、最も欠落したデータでもあります。

2019年日本のエネルギーバランスに対するサンキー図

図-1 2019年、日本におけるエネルギー消費を表すサンキー図。エネルギー・バランス。IEAから。

上の図-1はIEA(International Energy Agency)のHPから2019年の日本のエネルギー消費についてのサンキー図をコピーしたものです。左が一次エネルギーで、右に移動するに従って、エネルギーは精製され、また変換されて(二次エネルギー)一番右は最終エネルギー消費が、どこで行われているかを示します。また線の太さが、エネルギー量を表しています。
 ざっと見ていきましょう。一番上の線が一番太く、つまり最も大量に消費されるエネルギーを表しますが、Oil impとあります。これは輸入される原油を表します。ごく細くOil prodがありますが、これは日本で生産されている原油で、日本でも少しは取れているわけです。この二つのラインは右ですぐ合流しRefinariesに行きます。つまり原油は精錬されガソリン、軽油、灯油などの石油製品(Oil products)に変わります。
 この流れのすぐ下に左端からOil Productsの線が細いながらも引かれており、Refinariesの右で、上記の主流と合流します。これは日本でも、外国で精錬された石油製品を輸入しており、したがってこれは二次エネルギーの輸入になって、精製の後一次エネルギーからの流れに合流する形になっているのです。日本ではありませんが、大陸では電気を(二次エネルギーです)輸入したりしますので、その場合、左から来る電気輸入線は、国内で発電されたものと、かなり後になって合流するわけです。
 ずっと右に行って、この石油製品の流れは、Industory,Transport,Others,Non-energyの四つに分かれます。そのなかでも一番太いのがTransportであることに注目下さい。最も多量に消費されるエネルギー石油が、最も大量に消費される場所はTranportつまり運輸部門であることが感覚的によくわかるでしょう。Non-energyとは非エネルギー利用、つまりプラスティックなどの材料に使われているわけで、これが石油消費で二番目に多い分野となっています。
 さらに見ていきましょう。左から出る線でOilに次いで太い線が明らかに二本あります。CoalとGas、つまり石炭と天然ガスです。日本のエネルギーの現状は、圧倒的に化石燃料に依存していることがわかりますね。原油(石油)、石炭、天然ガス、この三つが化石燃料です。シェールオイルは石油、シェールガスは天然ガスに分類されます。
 Coal,Gasも精製され、二次エネルギーの領域に入りますが、どちらも共通した振る舞いがあります。そう、見てすぐわかるように、どちらも太い線で、つまりかなりの部分が、power stationに流れています。そしてそこから青い線ででているのが電気です。つまりpower stationは発電所を意味します。事実power station には、石炭、ガス以外にも、色んな一次エネルギーが流れ込んでいます。再生可能エネルギーや、核エネルギーも発電に使われているのですが、石炭火力、ガス火力がやはり圧倒的に多いことわかりますね。
 power stationから青い線と同じくらい太い線で、黒い線が出ており、power lossと読めます。エネルギー損失を意味する訳ですが、大部分は火力発電の効率から来ます。「エネルギーって何だろう?」の20ページ・コラムで紹介したように、熱エネルギーを他のエネルギーに変えるには、効率の限界があります。火力発電(原子力発電)もそれに従い、日本では火力発電の平均効率は40%(原発はもっと悪く33%)残りはコラムで紹介したように、低温部(この場合は海)に流れます。原発や火力発電は世界中の海を暖めており、その放出される熱エネルギーは、発電される電気エネルギーと、ほぼ比較出来る量になっています。日本近海も100年前と比較して1から2℃程度海水温上昇が見られると、理科年表にありますが、これは中国(今や中国の火力発電量は世界一のレベルだが、効率は悪い)、日本、韓国の火力(原子力)発電の、海に放出されるpower lossの結果ではないかと、私は疑っています。日本近海の海水温上昇があれば、台風などの雨風が強まる可能性は充分あるわけです。
エネルギー消費について、もっと詳しく知りたい場合、最終エネルギー消費の詳細をみます。それを次に考えて見ましょう。

2019年日本における最終エネルギー消費ーIEAによる

図-2 2019年日本におけるエネルギー消費の実態。最終エネルギー消費。IEA-HPから。

もっと細かくエネルギー消費の実態を知るには、やはりIEAのサンキー図を見るのが、手っ取り早いでしょう。上の図-2は既に見た、このページ最上部の図-1を補うものです。図-1の右1/3ほどが図-2の左半分に対応しています。つまり一次エネルギーやエネルギー変換などが終了した後、エネルギーがどのような現場で消費されているのか、示す図となっています。最終エネルギー消費として、最も多量に消費されるのが、石油製品ですが、この図で見るとそのうち最大の消費がTransportだったのが、更に詳しくRoadとなっています。道路上の石油製品消費が、最大のエネルギー消費となります。Roadの線の太さ(すなわちエネルギー消費量)は、Residencial(家庭)やCommerce and public services(広い意味で第三次産業)よりも大きいことがわかります。家庭で使うエネルギー量は、道路上での消費より少ないと、誰が想像できるでしょう。一方同じTransportの分線でもRailは極細だとわかります。鉄道上ではエネルギー消費は、ごくわずかに過ぎないことがわかるでしょう。持続社会での交通の柱は鉄道なのです。自動車過剰社会を脱し、鉄道網を丁寧に作り上げること、それが持続社会への道なのです。脱東京ー脱自動車過剰社会。言い換えれば20世紀型の社会を根本から見直さなければ、持続可能社会にならないのです。
現在プーチンのウクライナ侵攻で浮かび上がった問題として、ロシアからの天然ガス問題があります。図-1でもわかるように、天然ガスはほとんど発電に使われています。家庭でガスが使われますが、後に見るように、家庭でのエネルギー消費の半分は電気、残りの1/4ずつがガスと石油製品で、それもガスより石油製品がわずかに多いのです。こういうことも実際にデータを調べなければわかりません。

IEA-ホームページの歩き方

数年前までは、エネルギー消費データを調べるには、IEAなどが提供するエネルギーバランス表という、なれないと読みこなせにくい表を調べるほかありませんでした。後は誰かがそれを基にわかりやすく棒グラフにしたり、円グラフにしたものを見るだけだったのです。
 しかし近年IEAがサンキー図で説明し始めて、誰でも簡単に消費データを調べることができるようになりました。ここで其の方法を公開し、多くの人のエネルギー理解推進に役立てて貰おうと考えます。
 手順は簡単な二段階を踏むだけです。

  1. ネットの検索エンジンでIEAを検索し、IEAのHPに入る
  2. サイトのアドレス(iea.org)の後 /sankey を入力する

どうです。簡単でしょう。これだけで図-1と同じような図が出てくると思います。これは図ー1の全世界版です。
左にサイドバーが出てきて世界の国々が並んでいます。それを下に辿りJapanをクリックします。すると図-1が出てきます。再びサイドバーを見ると、其の段階ではJapanのBalanceを選んでいることがわかりますから、Balanceのすぐ下に出てきたfinal consumptionを選べば、図-2が出てきます。

要所要所にカーソルをあてクリックすれば、数字がわかる

オンラインで見ると更に便利なことがあります。IEAが持っている基礎的なデータを数値でこのサンキー図から見ることが出来るのです。要所要所に詳しいグラフやデータがリンクしているのです。これを使って、データの数値を調べ、更に知識を深めましょう。

バランス図で、発電の話をしました。これをもう少し詳しく見てみましょう。

final consumption図で自動車の話をしました。これをもう少し詳しく見て見ましょう。