東京一極集中打破が根本課題

 千年文化を考える会は、私が法政大学の教員だったときに始めました。2018年3月定年で大学を辞職した時、京都に移り活動を続けています。東京時代に考えたこと、そして京都に移って考えが深まったことを、まとめて文章にしました。それぞれのポイントに詳しい説明へのリンクを貼ってあります。
 このHPをすでに何度も訪れていただいているご常連様は、下にスクロールしていきなり「東京一極集中がすべてをダメにしているのではないかーデータを基に考える」にお進み下すって結構です。
 現在の私の考えをまとめると、東京時代にエネルギーについての考察を深めた私にとって、東京一極集中という構造は、決して持続可能ではないという認識にすぎませんでしたが、京都に移って地方を様々見てみたとき、日本の経済停滞、少子化、政治の質の悪化など、もとをたどれば東京一極集中に行きつき、逆に東京一極集中を打破して、地方分散型に日本を再構成していけば、日本の未来も見えてくるという形に変わりました。もちろん東京時代の考察がその基盤にあります。
 2025年参院選も近いですが、日本の未来ははたして東京一極集中の上にあるのかが、政治上一番の問題であるはずだという気がします。この問題は東京から聞こえてくる参院選の諸メッセージに、予定される候補者からも、したり顔で評論する人たちからも、全くと言っていいほど見えてません。せめてこのページとそのリンク先をお読みいただいて、現代日本の真の問題の核心として、皆様にも考えてもらえたらと期待しています。

東京時代に到達した考え方ー四本の柱

 千年文化を考える会の活動は、東京で始まりました。きっかけは福島原発事故です。本来原子核物理学者である私にとって、原発事故はあってはならないものでした。多くの原子核関係学者にとっても、原発事故はあってはならないものであったと思います。
 しかし原発事故が日本でも起きてしまいました。意見は様々あるかもしれませんが、原発はなくさなければならない、というより役に立たないということが、私にとって正しい認識であるように思います。原発事故のショックの記憶も薄れた日本では、原発は将来も必要であるとの認識がまかり通ているようですが、それでは世界のエネルギー消費のうち、何%が原発からの電気なのか、と聞かれたら答えることができる人は、どれほどいるのでしょうか? その答えは2%なのですが。たった2%得るために、福島で悲劇を受けた多くの人たちを、将来にわたって再生産するのが正しい選択なのか、考えてみてください。
 さて一方では将来にわたって人類が幸福に繁栄をつづけるためには、東京にいるとき四つの柱が必要だと考えました。今から7年前のことです。
 まず第一に福島原発事故の折に強烈に感じたことは、エネルギーの知識が正しく共有されていないということでした。エネルギーについては高校の物理基礎あるいは物理という科目で、多くの日本人は勉強したはずですが、シンプルなそして正しい理解が共有されていないことを痛感しました。
 したがってエネルギーに対する正しい理解を浸透させる必要がある。これが第一の柱です。
 エネルギーって何だろう? – NPO法人千年文化を考える会
 現在は化石燃料を大量に消費する社会です。これは産業革命で始まりました。そしてエネルギーが変われば社会も大きく変わっていきました。再生可能エネルギーに支えられた社会を作るためには、社会も大きく変わることが必要です。しかしその発想を得るためにも、エネルギーと社会についての考察が必要です。
 エネルギーと社会についての考察、これが第二の柱です。
 エネルギーと社会 – NPO法人千年文化を考える会
 それでは再生可能エネルギーはどのような社会を将来に作っていくのか。これは未来のことですので正確なことはわからないでしょう。しかしヒントになることがあります。琵琶湖疏水です。琵琶湖疏水は衰退した京都を再生させるため、地域に再生可能エネルギーで産業革命を起こす、という明確な理念のもとに企画実行されました。
 琵琶湖疏水を学ぶこと。これが第三の柱です。
 琵琶湖疏水 – NPO法人千年文化を考える会
 そして今衰退した多くの地方を復興させ、将来の繁栄基盤を造りだすこと、これは東京を除いたすべての地方で検討すべき課題ですが、そのために人口20万人以上の町で検討すべきこと、それがLRT敷設です。これが第四の柱になります。
 LRT – NPO法人千年文化を考える会
 以上四本の柱について7年前東京にいるときから考えついて、それを四本の柱としてこのHPを作成してきました。それぞれのページを作成し、それを詳しく子ページとして作成しながらHPを充実してきました。それぞれ下記に改めてリンクを張っておきます。
エネルギーって何だろう? – NPO法人千年文化を考える会
エネルギーと社会 – NPO法人千年文化を考える会
琵琶湖疏水 – NPO法人千年文化を考える会
LRT – NPO法人千年文化を考える会

なおこれら四本の柱のページは、当HPを開いたら最初に、ヘッダーとして移動選択できるようになっていますから、いつでも読むことができます。
当HP「初めに」を開く
NPO法人千年文化を考える会 – 代表小池康郎が会をご紹介します

東京一極集中がすべてをダメにしているのではないかーデータで見てみようー

 東京にいるときから、将来的に東京一極集中を打破しなければ、日本再生はないと強く感じていましたし、東京で講演を行うたびにそのことに触れてきました。何故なら東京は20世紀になって、大量の電気と石油が作り出した都市であることは。すべての日本人が日本の歴史を思い出せば明らかにわかることです。これを成功の良い例であるとほとんどの日本人が考えていることが、今の日本の停滞を招いています。
 それでも東京一極集中がなかなか打破されないのは、皮肉なことに多くの人が東京(首都圏)に住んでいるからですね。誰も自分の現在の立ち位置あるいは職場で共有する立ち位置を否定したくはないものです。
 私は東京時代から、東京一極集中は将来性がないとか、東京はいやだなとか思っていましたが、京都に移り住んで、東京での生活感覚と地方での生活感覚の隔離に仰天することの連続でした。
 そこで信頼できるデータを用いて様々なことを考えてみて、東京一極集中の異常さを分析しています。それをここで子ページとして挙げていきます。
 まずコロナ禍の初期、東京一極集中が明らかに問題であったことを示します。
データに見る東京一極集中の弊害-I – NPO法人千年文化を考える会
 次に日本の首都圏ほど集中した都市圏は世界中探してもなく、したがって現在の東京の都市集中が経済成長に良い影響を与えるという考えにはまったくエビデンスがないことを示します。
データにみる東京一極集中の弊害Ⅱ – NPO法人千年文化を考える会
 次に東京一極集中は経済のために仕方ないと思っている人が多いのですが、それは間違いで失われた30年は東京一極集中を続けたから起こったとも考えられることを、エネルギーデータから考察します。
データに見る東京一極集中の弊害III – NPO法人千年文化を考える会

それらを踏まえて、東京脱出をその準備として日本各地に、あるいは世界に旅に出ようと提案します。
都(と)を捨てよ、旅に出よう – NPO法人千年文化を考える会